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中曽根 祐司*; 辻 宏和; 大場 敏夫*; 田辺 龍彦*; 八木 晃一*; 中島 甫
Creep: Characterization,Damage and Life Assessments, p.551 - 555, 1992/00
高温ガス炉高温部構造用ハステロイXR系合金を供試材料として、1次冷却材を模擬したヘリウムガス中で、1123~1273Kの4温度水準において、クリープ中断試験を行い、クリープひずみが5%までの初期クリープ損傷過程における微小粒界ボイドの統計的特性を調べた。ボイド寸法は対数正規分布、Aパラメータ(クリープ損傷の認められる結晶粒界の存在割合)はワイブル分布にそれぞれ従っていた。最大ボイド寸法及びAパラメータとクリープ中断ひずみの関係から、ボロン添加によって粒界ボイドの発生と成長が抑制されていることを確認するとともに、鍛造材の方が管財よりも同一クリープひずみへの到達時間は長いもののクリープ損傷は逆に大きくなっている等の知見を得た。これは、鍛造材の方が管材よりも結晶粒の変形が生じにくいことに起因していると考えられた。
熊沢 蕃; 沼宮内 弼雄
Radiation Protection Dosimetry, 36(2-4), p.269 - 273, 1991/00
本論文は放射線防護の種々の局面における線量分布モデルの必要性を示したものである。対数正規及び正規分布を適用した、作業者の線量分布に関するGaleの研究(AERE-R4736、1965)以来、様々な線量分布モデルが出されている。その中でもICRP Pub1.26の採用により対数正規が最も普及している。しかし実際の線量分布は被曝を抑制するフィードバック機構の存在を示唆し、対数正規分布から外れることがある。このように線量分布モデルは線量限度の影響を反映したものである必要がある。本論文では、線量分布モデルの必要性、その分布モデルの簡単な歴史、1980年に著者らが提案した混成対数正規(HLN)という分布モデルのデータへのあてはめ法、混成目盛というスケール上における被曝管理状態の特徴、HLN分布を生ずる被曝管理過程、及びHLN分布の適用例を示した。
熊沢 蕃
日本SASユーザー会論文集1987年, p.183 - 186, 1987/00
米国環境保護庁との研究協力の1つとして実施している職業被曝解析のため、昨年8月にSAS(Statistical Analysis System)ソフトウェアを原研に導入した。
熊沢 蕃
日本原子力学会誌, 26(11), p.942 - 948, 1984/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)米国環境保護庁の新連邦放射線防護指針の策定計画の一環として全米職業被曝の解析を担当する機会を得た。本稿はこのときの解析結果を紹介したものである。職業被曝の有する典型的な性質と、それをモデル化した混成対数正規分布による全米職業被曝の四半世紀にわたる被曝低減化の歴史的動向や産業分野による特色を示した。また全米職業被曝に占める原子力産業の位置付けと、被曝低減化の持つ役割も示した。なお、本解析の中心課題は1980年度の要約にあり、これには性別や年令別の解析も含む。また生涯線量の推定も新しい方法で行い、現実的な値を求めた。
熊沢 蕃; 島崎 潤也; 沼宮内 弼雄
JAERI-M 82-035, 63 Pages, 1982/04
職業被曝の解析法を確立する一環として、混成対数正規分布に関連した数値計算法と計算プログラムを開発した。これらは、混成対数正規分布のパラメータの推定、分布関数、パーセント点、中央値、最頻値の計算、積率、平均値、分散、幾何平均値、幾何標準偏差の計算、さらに積率分布の分布関数、パーセント点、中央値、最頻値の計算である。計算プログラムはすべてサブルーチンまたは関数サブプログラム形式であり、必要な補助プログラムも含めることにより、混成対数正規分布に関し完備したプログラムパッケージとした。この結果、実測データから混成対数正規分布の3つのパラメータを推定し、個人被曝線量分布や個人被曝線量による集団線量分布を求めるための各種の統計量の計算が簡単化された。
熊沢 蕃
電子通信学会論文誌,A, J65-A(2), p.201 - 202, 1982/00
混成対数正規分布は線量限度効果の働いた被曝線量分布を記述するため、著者らによって導入された確率分布モデルである。このモデルは、正値の確率変数Xが混成対数正規分布に従うとき、を正の定数として、enX+Xが正規分布に従うというのと同じである。本報では生体器官の成長過程を例に取り、混成対数正規分布の発生機構を示した。これは1903年にJ.C.Kapteynによって示された対数正規分布の発生機構に成長抑制のためのフィードバック機構を追加することによって得たものである。この分布は値の大きな変量の現れるのをそれだけ厳しく管理する状態で発生することを示し、さらに工学的適用例として、フィードバック機能を各段に持つ多段信号増幅系の出力監視や計算機の巨大利用の抑制、または休止時間の長い機器の監視などに適用し得ることを示した。
熊沢 蕃; 伊藤 精; 西 健雄; 沼宮内 弼雄
保健物理, 16(2), p.141 - 144, 1981/00
原研における年間全身被曝線量の分布則性をK.Pearsonの検定および尤度比検定により検討したものである。危険率5%として次のことが知られた。 1.年間全身被曝線量分布の対数正規分布への適合度は、フィルムバッジ全使用者に対して否定される傾向が見られるのに対して、検出限界線量以上の被曝者に対しては否定されない傾向が見られた。 2.年間最大全身被曝線量分布の二重指数分布への適合度は否定されなかった。 3.年度別の年間全身被爆線量の最大値対平均値の比の分布の対数正規分布への適合度はフィルムバッジ全使用者にたいしては否定されなかったのに対して、検出限界線量以上の被曝者に対しては否定された。
熊沢 蕃; 松井 浩
保健物理, 15(2), p.101 - 109, 1980/00
保健物理分野の統計解析で、高い値の管理データが得られる割合や傾向を把握することは、測定データの妥当性を評価し、かつ管理方式を検討する上で重要である。本論では上記の割合や傾向を解析する上で問題となる点を考察した。先ず、正規,対数正規,二重指数,対数二重指数の4つの確率分布の特徴や相互関係を示し、これらのいくつかの適用例を示した。その後、上記の問題点を検討して次の結論を得た。(1)累積百分率の計算法や対数目盛の確率変数軸の取り方で確率紙から求めた上側確率はかなり影響を受ける。(2)年間被曝の最大値は二重指数分布に従うのに対し、一定期間や区域の汚染データの最大値は対数二重指数分布に従う。(3)管理データを大きさ順に並べて、順位による減少傾向を見ると、被曝データでは順位の指数関数,汚染データでは順位のベキ関数で表わされる。
西 健雄; 熊沢 蕃; 伊藤 精; 沼宮内 弼雄
保健物理, 15(2), p.111 - 118, 1980/00
原研における被曝の特徴を明らかにするとともに将来の被曝を予測するため、年間全身被曝線量分布について各種被曝統計解析をおこない、下記の結論をえた。(1)年間全身被曝線量分布は、対数正規分布則にしたがう。(2)年度別の年間最大全身被曝線量分布は、二重指数分布則にしたがう。この結果より、年間3remおよび4remを超える年間最大被曝者の出現年度割合は、それぞれ20年間に1回程度および100年間に1回程度と推定される。(3)年度別に年間全身被曝線量の最大値を平均値で割った値の分布は、対数正規分布則にしたがう。(4)年度毎の年間最大全身被曝線量を大きさの順にならべると、線量の大きさは順位の指数関数として表わすことができ、11番目ごとにその線量は1/eに減少する。